学校配布物は紙がいい?データがいい?ペーパーレス化のメリット・デメリットについて

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本日のテーマは、学校配布物は、「紙」or「データ」?について。

我が家にも小学生が2人いますが、学年便り、行事案内、献立表、各種お知らせなど毎日のように大量のプリントを持ち帰ってきます。なかには、

これ紙でわざわざ配布する必要なくない?

という類の資料も多く。学校側の「とりあえず紙を配布しておこう」という姿勢には個人的に賛成できません(紙がもったない)。

さて、企業や行政など世の中のペーパーレス化は少しずつ標準になりつつあります。情報の電子化にともない、ペーパーレス化が可能になった現代。時間、労力、資源の大幅コストカットになるのは言うまでもありません。しかし、学校教育においては、いまだ紙が大量にあふれています。安易にペーパーレス化に進めない理由が存在するだろう事は予想できます。

ということで!本記事では、学校配布物のペーパーレス化について考えていきたいと思います。

わたしは保護者の立場ですが、保護者の中にも、

・紙でもらったほうが安心な人
・データで十分な人
・むしろ、データしか要らない人
・何なら、両方欲しい人

など、ペーパーレス化社会への過渡期でもあるため、意見も様々にわかれている印象です。

この記事では、ペーパーレス化について、「とある保護者アンケートよりわかること」「メリット・デメリット」といったテーマで調べたこと、思ったことをお伝えしてまいります。

・学校配布物、みんなは紙とデータどちらで欲しい?
・配布物ペーパーレス化のメリット、デメリットは何?

ということが気になっている人向けの記事です。

目次

1.紙がいい?データがいい?保護者アンケートより

学校・施設向け無料のメール連絡網サービスを提供している「マチコミ」が、保護者や学校施設関係者の生の声を集めるべく実施している「マチコミクエッション」より

【クエスチョン調査結果】どちらが便利?学校からのプリント配布物はデジタル派?紙派?

調査日時:2016年12月16日
回答数:3,622

の記事を参照すると、

Q.学校からのプリント配布物、デジタル化してほしい?

・プリントで配布して欲しい 42.7%
・デジタルで配布してほしい 17.5%
・両方で配布してほしい 29.5%
・わからない、どちらとも言えない 9.8%
・その他 0.4%

引用:【クエスチョン調査結果】どちらが便利?学校からのプリント配布物はデジタル派?紙派?

調査実施が2016年と、ここ3~4年で状況もだいぶ変わってきているとは思いますが、

プリントで配布してほしい人が、42.7%

と半数近くに上ることがわかりました。現状、ITツールに慣れている人ばかりじゃないですからね。紙でもらったほうが安心という保護者も、まだたくさんいる事が分かります。

次に多いのが

両方ほしい人で、29.5%

2016年時点でデジタル配信のニーズは3割ほど。両方あるに越したことはないといったところでしょうか。

コメントの保護者の声より↓↓

①デジタル化をうまく取り入れて欲しい

「子どもが出さなかったり、出してきたときには提出期限が切れていたりすることがたまにあるので、何を配布したかだけでもメールでなどで連絡が欲しい」(三重県 30代女性)

「親としてはデジタル化はありがたいですね。でも子どもにとってはきちんと親に渡すということも大事なので、両方配布に投票しました。両方配布になった場合、子どもにはデジタル化のことは内緒にするつもりです」(神奈川県 40代女性)

「いいですね、デジタル化。紙代、印刷代もかかるし何部配布するとか、もらっていないなどあるので。返信が必要な場合は紙のほうがいい場合もありそう」(青森県 30代女性)

「うちの子はプリントをほぼ持ち帰らないので(机の引き出しの奥でぐしゃぐしゃに)、デジタル化大歓迎です」(福岡県 30代女性)

引用:小学校もデジタル化の波がきた! 驚くべき最新の小学校事情【パパママの本音調査】 Vol.38

部分的にデジタル化を取り入れるなど資料の種類や状況に応じた、デジタル化が求められているようです。

②プリントにも存在意義あり

「デジタル化すると便利だけど、学校と親だけのやりとりになりますよね。子どもは自分たちに関することで、どんなやりとりがあるか知らずに大きくなってしまいそう」(千葉県 30代女性)

「学校でのできごとや予定を子どもの口から聞きながら、一緒にプリントを確認することで、たくさんの意味や関わりができていると思う」(宮崎県 30代女性)

「こんな時代だからこそ、プリントも必要なんじゃないかな?もらってきた手紙を親に渡す、この流れも一つのお勉強」(千葉県 30代女性)

引用:小学校もデジタル化の波がきた! 驚くべき最新の小学校事情【パパママの本音調査】 Vol.38

たしかに、紙を介してこそできる親子コミュニケーションや学びがあると気付かされました。便利だからと安易にデジタル化するのはちょっと待ったほうがいいのかもしれません。デジタル化することで損なわれる学び&コミュニケーションの機会を違う方法で補えるよう工夫する必要があります。

③デジタル化対応できている学校もあり

「学校のホームページに配布プリント一覧があり、いつ何が配布されたか確認できます。子どもが紛失してもプリントできるので提出も忘れずにできています」(広島県 40代女性)

「息子の高校ではプリント配布ですが、今日こういうものを配布しましたというものが配信されます。出し忘れが多い子だったのでこの制度に助かってます」(神奈川県 40代女性)

引用:小学校もデジタル化の波がきた! 驚くべき最新の小学校事情【パパママの本音調査】 Vol.38

便利なITツールを導入し、紙プリントとデジタル化を上手く併用している学校も見られます。本来、配布物は伝えたい相手に伝達事項を確実に伝えるためのもの。子供がプリントを出さない、紛失するといった理由で、本来の目的が達成されず困っている状況なら、サクッと解決できる便利ツールの利用はアリではないでしょうか。

③のような学校事例を知り個人的には「さっさと導入すればいいのに」と思います。とはいえ、予算やら管理者の問題やらあるので学校によってはそう簡単な話ではないようです。(慣れてしまえば)親は助かるし、先生方の負担は減るし、費用対効果は抜群だと思うのですが。

2.ペーパーレス化のメリット

ではここで、学校配布物をペーパレス化した場合のメリットをまとめておきます。それはつまり、「紙を配布しないことで得られるメリット」「デジタル化することで得られるメリット」です。

保護者に確実に届く、伝わる

子供を通じて受け渡しをする以上、全ては子供にかかっています持って帰らない、無くす、汚す、ランドセルの奥でグシャグシャ等々場合によっては、すでに期限切れの状態で渡されることも。先生からの伝言も、きちんと正確に伝えてくれる子ばかりではありません。また、いつどんな資料が配布されたのか保護者は知るすべもないので、子供が言わない限り、全く気づかずに終わるという事態も最悪ありえます。

その点、配布物がデジタル配信されれば、保護者の手元に届かないというトラブルはほぼ回避されますし、学校を休んだ時もタイムラグなく受け取れます。お友達に届けてもらう、といった手間を取らせることもありません。

一連の作業の手間がへる

紙を配布して伝達するということを図にすると、こうなります↓↓

①(紙で配布前提で)資料を作成する
②印刷する
③クラス人数ごとに数えて、仕分ける
④教室で全員に行き渡るように配る、追加で説明する
⑤持ち帰る
⑥親に渡す、追加説明を親に伝える
⑦資料をチェックし、保管する・提出する・処分する などに分類する

といった一連の作業が、資料ごとに発生し、時間と労力と思考力と資源ががたくさん使われるわけです。

これをデジタル配信に置き換えると、こうなります↓↓

①資料を作成
②ネットにUPする
③保護者にお知らせする
ⅰ)ホームページがある場合は、更新したこと知らせる
ⅱ)ホームページがない場合は、データURLを知らせる

といった具合に、いたってシンプル。浸透させるには諸問題あるでしょうが、手間とコストの大幅削減によって生まれる時間の価値を考えると、導入しないなんて!と個人的には感じてしまいます。

一覧で確認・検索・共有ができる

デジタル化して、ホームページなり、ネットワークシステムなりに情報を一覧にして集約しておくことはいろいろメリットがあります。

①一覧で確認できるので漏れがない
②日時、単語などのキーワードで情報検索できる
③簡単にシェアできる

ネット環境につながってさえいれば、いつでも・どこでも・誰でも確認できるので紙のプリントの山から探し出す、なんて必要もなくなります。時間短縮になります。

無くならない・劣化しない・蓄積される(※バックアップは必須)

紙と違って「無くならない」「劣化しない」のもデータ配信のいい点です。もちろん、システム障害や人為的ミスによる消失を防ぐためバックアップは複数とっておく事が必須です。過去データも蓄積され、基本、情報検索もしやす形で管理されるので振り返りや分析、次への応用が、よりスピーディに行われます。

ITスキルが向上する

学校教育においてICT(情報通信技術)活用の重要性が叫ばれて久しいですね。文科省主導のもと進められてはいますが、まだまだというのが日本の現状です。世界スタンダードからかなり遅れをとっています。大きな理由の一つに、先生をはじめ教育現場のITスキル不足があるのは否めません。配布物のペーパーレス化は必然的に先生や学校関係者のITスキルを向上させてくれるもの。またITに不慣れな保護者にとっても、会社や日常生活でノーマルになりつつあるデジタル化に慣れるいいチャンスです。

環境保護につながる

紙の原材料はみなさんご存知のとおり、森林です。紙を消費するということは、それだけ森林を伐採しているということです。森林は温室効果ガスである二酸化炭素を吸収し、酸素を排出する役割を担っており、森林伐採によって、地球温暖化はさらに加速してしまいます。環境保護のためにも、ペーパーレス化は積極的に進められるべきです。未来の地球、未来の子供たちのことを考えるなら紙ばかりに頼ろうとする意識は、改めるべき時に来ていると思います。

保管場所と保管コストの削減

ペーパーレス化が進むと、紙の資料を保管しておくだけの場所や道具(ファイル、バインダー、棚など)も不要なので、空間の有効利用と経費削減ができます。余剰空間ができると新たなアイディアも生まれやすいでしょう。

3.ペーパーレス化のデメリット

逆に、学校配布物をペーパーレス化した場合どのようなデメリットが考えられるのでしょうか。言い換えると「紙が配布されないことで生じるデメリット」「デジタル配信にて生じるデメリット」になりますが、

・適当なITツール環境が整っているか
・ITツールをどれだけ使いこなせるか

が鍵を握っています。

画面サイズによって情報が伝わりにくい場合も

情報を受け取る端末の画面が小さい場合は、内容が十分に伝わらないという可能性があります。若い世代は通常のスマホサイズでも困らないようですが、紙媒体に慣れてきた世代(40代?50代?~)にとって、画面上の文字というのは読みにくいもの。タブレット端末やディスプレイが大きめのPC環境を整えるといった策が必要です。

メモが取りにくい

メモを取るなら、やはり紙のほうがいいという人も多いのではないでしょうか。ささっと書き込むのに、ペンと紙は何と言ったって便利。メモが取りにくい、もしくは、取れないという点は現状、ペーパーレス化の大きなデメリットと言えます。若い人は端末のメモアプリ等を難なく活用できますが、不慣れな人にとっては、アプリを起動する・アプリでメモを取るというのは結構な手間に感じることでしょう。

システム障害が怖い

ペーパーレス化によって情報を電子化した場合、サーバーがダウン、ウィルス侵入など現代の技術進歩はすさまじいとはいえ、ちょっとした事でデータがなくなる可能性が否定できないのは事実。

・セキュリティー対策は万全に!
・重要データは何重にもバックアップを!

という考えが浸透しつつありますが、それに精通する担当者が校内にいない場合は、業者に頼む、外注するなど多少コストがかかってしまいます。

ITに不慣れな人が多い場合は、一部担当者に仕事が集中してしまう

デジタル配信をする学校側の作業として

・資料をネットの適当な場所にあげる
・PDF形式であげる場合は、文書をPDF化
・管理する、更新する
・保護者にお知らせする
・間違いがあった場合はデータを訂正する
・セキュリティー対策
・バックアップをとる

など具体的に様々な作業が発生しますが、アナログな先生、学校関係者が多い場合は、一部のわかる人に仕事が集中してしまう可能性は否定できません。ICT支援員のサポートや外部業者の便利なサービスを上手く活用する視点も大切でしょう。

まとめ

以上、本記事では学校配布物のペーパーレス化について、保護者の意見や、メリットは?デメリットは?といった内容でお伝えしてまいりました。

情報は紙で欲しい、データで欲しい、また、その両方でもらえたら安心という意見があり、それぞれの理由も納得できる部分はありました。

とはいえ、個人の感想ですが、

・地球の環境のため
・無駄な時間と労力をカット(教育現場の働き方改革)
・仕事の効率と生産性の向上(←先生たちにとっても保護者たちにとっても)

何より優先されるべき点であり、ペーパーレス化にむけ早急に対応してほしいと願っています。依然として「無理だと諦めている人」「覚えようとしない人」「慣れたやり方にこだわり続ける人」など多く見られますが、いま行動することは、SDGs(持続可能な開発目標)に向かう社会の一員として避けては通れないことではないでしょうか。

そのためには、「紙をなくす!」と組織全体で覚悟をもってやり進められるよう、しっかりとした方針固めと、組織トップの先導がポイントのようですが、そのあたりはまた別記事でまとめます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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