今回は「小学校のホームページ」について書いていきます。
というのも、この記事を最初に書いた2022年当時、私には小学校と中学校に通う子どもがいましたが、なんと!どちらにも学校独自のホームページがありませんでした。
正確には、市のホームページ内に学校紹介ページがあるだけ。そこには1,500字程度の簡単な紹介文と、画像が2枚ほど掲載されていました。

いまどきホームページもないなんて……。
というのが率直な感想でした。
たしかに地方の田舎ではありますが、山奥とかじゃありませんよ。中型ショッピングモールぐらいはある地方都市です(笑)。
一斉メールシステムはあり、緊急のお知らせや提出物のお願いなど、事務連絡には機能していました。
でも、学校からの連絡を受け取ることと、学校の魅力や子どもたちの日常を知ることは、ちょっと違いますよね。
「学校のホームページって、もっといろいろな使い方ができるんじゃない?」
そんなことを考えながら全国の小学校を調べていたところ、「これはすごい!!」と思うホームページを見つけたのです。
それが、広島県尾道市にあった「尾道市立土堂小学校」のホームページです。
学校のホームページを作りたい方、もっと充実させたい方、学校からの情報発信に関心のある方に、ぜひ知っていただきたい取り組みです。
【2026年追記】
この記事で紹介する土堂小学校は、2025年3月31日に閉校し、久保小学校・長江小学校と統合して、2025年4月に「尾道みなと小学校」が開校しました。
以下で紹介するのは、私が2022年当時に感動した土堂小学校のホームページの取り組みです。現在の学校やホームページの状況を紹介するものではありませんが、学校の情報発信を考えるうえで、今でも参考になる点が多いと感じています。
参考:広島県教育委員会・令和7年度の学校統廃合情報
尾道市立土堂小学校のホームページがすごい!!


私が土堂小学校のホームページを初めて見たときの驚きと感動は、今でも覚えています。



ある意味、感動ものです!
まずは、当時のトップページをご覧ください。


どうでしょう?
私が「すごい!」と感じた点を挙げてみます。
- 内容が充実していて、学校生活の様子が伝わる
- おしゃれでワクワクするデザイン
- 子どもたちの自然な表情を捉えた写真がすばらしい
- 子どもたち自身が発信に関わっている
- ホームページを支える先生の熱意がすごい
挙げたらキリがないのですが、この5つを中心にご紹介します。
① 内容が充実していて、学校生活の様子が伝わる
当時の土堂小学校のホームページには、学校紹介や行事予定だけでなく、こんな楽しいコンテンツがありました。
- 土堂っ子日記:子どもたちが自分たちで記事を書くブログ
- こども美術館:子どもたちが描いた作品を紹介
- 土堂っこステーション
- せんせいコラム
日々の学校生活、子どもたちの作品、先生方の思い。学校に行かなければ分からないようなことが、ホームページを通して伝わってきたのです。
なかでも「子どもたち自身が書くブログ」は、たいへんすばらしい取り組みだと思いました。
ホームページを見ているのは保護者だけではありません。地域の人や卒業生、これから入学する子どもたちだって見られます。
学校からのお知らせを並べるだけではなく、学校の日常や魅力を伝える場所になっているところがいいんですよね。
当時の子どもたちのブログの記録はこちらにも残されています。
② 愛着がわく、おしゃれでワクワクするデザイン
教室のイスに座って授業を受けているような背景に、子どもたちが描いたかわいいアイコンが並ぶトップページ。
「学校のホームページって、こんなに楽しくできるんだ!」と驚きました。
一般的な学校ホームページというと、どうしても文字が中心の、少しお堅い印象のものを思い浮かべます。
もちろん、情報が見つけやすいことは大切です。でも、それだけではちょっと味気ない。
これだけワクワクするデザインだったら、子どもたち自身も「今日は何か更新されているかな?」とチェックしたくなるんじゃないでしょうか。
大人が一方的に情報を渡す場所ではなく、子どもたちも親しみを感じられる場所。
そんな学校ホームページの可能性を感じました。
③ 子どもたちの自然な表情を捉えた写真がすばらしい
そして、特に感動したのが写真です。
授業中や休み時間、学校行事など、子どもたちの日常が本当に生き生きと切り取られていました。
担当の貝川充洋先生が、まるで「黒子のように」さりげなく撮影されていたとのこと。
ああ、だからこんなに自然体の写真が撮れるんですね。納得です。
さらに驚いたのは、子どもたち自身も写真撮影に関わっていたこと。一眼レフカメラを使って、お友達の姿を撮影する活動も行われていました。
ファインダーを通して友達を見つめる。
相手の表情や、その瞬間の空気を感じ取って写真に残す。
写真撮影そのものが、子どもたちにとって価値のある体験になっていたのだと思います。
元記事で紹介していた当時の写真活動の記録も、参考までに残しておきます。SNSの古い投稿は、現在は表示されない場合があります。
④ 子どもたち自身が発信に関わっている
「土堂っ子日記」や子どもたちによる写真撮影など、ホームページの制作に子どもたち自身が関わっていることも、大きな魅力でした。
「学校の楽しさを伝えたい!」「こんなことをみんなに知ってほしい!」
そんな気持ちで、何を紹介するか考えたり、文章を書いたり、写真を選んだりする。
ただの情報発信ではなく、自分で考え、試行錯誤し、表現する学びの場にもなっているんですよね。
大人が全部作って完成させるのではなく、子どもたちが自分の思いを形にできること。
もちろん、先生や保護者の協力、安全面での配慮があってこそですが、子どもたちが生き生きと活動している姿に、私は心がじーんとしました。
自分が書いた文章や撮影した写真が、学校の外にも届く。
考えただけでも、ちょっとワクワクしませんか?
当時はSNSでも、報道委員会の子どもたちがブログを書いている様子が紹介されていました。
⑤ ホームページを支える先生の熱意がすごい
土堂小学校のホームページを初めて見たとき、「ここまで作り込まれた学校ホームページがあるのか!」と衝撃を受けました。
実は、土堂小学校は2006年度の全日本小学校ホームページ大賞でデジタルイメージ賞、2011年度にはJ-KIDS大賞を受賞した実績があります。
やはり、すごい学校だったんですね。
私は常々、こう思っています。
「素晴らしいモノが世界に生み出される背景には必ず、誰かの熱意がそこにある」
このホームページを支えていたのが、制作を担当されていた貝川充洋先生の熱意だったのだと思います。
ぜひ読んでいただきたいのが、貝川先生が書かれた「学校ホームページは,地域社会との架け橋」という記事です。
学校ホームページは,地域社会との架け橋(PDF)
貝川充洋 著/国際大学GLOCOM「智場」掲載
学校のホームページが、単なるお知らせの掲示板ではなく、保護者や地域とのつながりを生み出す存在になっていたことが伝わってきます。
先生の熱い思いが子どもたちや周囲の大人を巻き込んで、こんなに素晴らしく、愛されるホームページができたのではないでしょうか。
そして、学校と家庭との信頼関係があってこそだとも強く感じました。
学校ホームページには、写真や個人情報の扱いも大切
ここまで褒めちぎってきましたが(笑)、気になる点がないわけではありません。
例えば、「子どもたちの顔写真をインターネットに掲載して大丈夫なの?」という問題です。
私も子どもを持つ親として、やっぱり気になります。
貝川先生の文章には、当時の学校で、写真掲載に関する案内文書を保護者へ配布し、不都合がある場合には連絡してもらうなどの運用をしていたことが紹介されています。
ただ、これはあくまで当時の取り組みです。
現在の学校で写真や動画を公開するなら、保護者や子ども本人の意向、学校・教育委員会のルール、公開範囲などを十分に確認する必要があります。
一度インターネットに公開した写真は、完全に回収できるとは限りません。
だからこそ、情報発信の楽しさと安全への配慮は、セットで考えていきたいものです。
学校生活の魅力を伝えることと、子どもたちを守ること。どちらも大切にできる運用が理想ですね。
学校ホームページづくりの参考になった書籍2冊
土堂小学校の取り組みに感動してから、学校ホームページのあり方について、さらに知りたくなりました。
そこで読んでみたのが、次の2冊です。
どちらも、「学校は何を、誰に、どう伝えるべきなのか」を考えるヒントになりました。


① 『自ら語れば学校はもっと愛される』
『自ら語れば学校はもっと愛される ―学校広報の視点から学校ホームページを考える』
豊福晋平 著
学校ホームページを、単に情報を載せる場所ではなく、学校広報や学校運営の視点から考える一冊です。
私が特に参考になったのは、巻末にある「学校サイト評価項目分類」です。
学校のホームページを「なんとなく見やすい」「なんとなく使いにくい」という感覚だけで判断するのではなく、客観的な視点から見直す手がかりになります。
ホームページを作る側はもちろん、学校に改善を提案したい保護者にも参考になりそうです。
「学校のホームページって、そもそも何のためにあるの?」というところから考えたい方におすすめです。
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② 『思いを届ける学校ホームページ』
『思いを届ける学校ホームページ ―発信なければ受信なし ホームページは学校経営の切り札』
平林哲也・玉置崇・斎藤早苗・堀田敦士 著
こちらは、立場の違う4人の方の考え方に触れられるところが、とても面白い一冊です。
校長先生の立場から。PTA会長の立場から。学校ホームページのシステム開発やデザインに関わる立場から。
同じ学校ホームページを見ていても、立場が違えば、求めるものや大切にしたいことも変わってきます。
特に、「保護者が見たくなる学校ホームページ」という視点は、子どもを持つ親として共感できる部分がありました。
また、学校と保護者がどう関わっていくかを考えるうえでも、参考になる内容です。
学校ホームページを単なるお知らせツールで終わらせず、学校と家庭、地域をつなぐものにしたい。そんな方に読んでいただきたいです。
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今の学校ホームページづくりに活かせること
土堂小学校のホームページは、当時の学校情報発信の先進的な事例でした。
今は学校のICT環境も変わり、保護者への連絡アプリや学習用端末など、ホームページ以外にも使える手段が増えています。
ですから、昔のホームページの形をそのまま再現する必要はないと思います。
それでも、土堂小学校の取り組みから学べることは多いはず。
- 学校生活の様子を、具体的に伝えること
- 保護者や地域の人が、学校を身近に感じられること
- 子どもたちが、自分の思いを表現できること
- 必要な情報が見つけやすく、安全に公開されること
- 特定の先生だけに負担を集中させず、続けられる仕組みにすること
最後の「続けられる仕組み」も大切ですよね。
熱意のある先生がいたからこそ生まれた素晴らしいホームページ。その良さを、担当者が変わっても引き継げるようにするには、どうしたらいいのか。
学校の情報発信を考えるときには、そんな視点も必要なのだと思います。
また、学校から家庭への情報共有については、学校のペーパーレス化を進めるための注意点もまとめています。
まとめ|学校ホームページは、学校と家庭・地域をつなぐ場所
今回は、「すごい小学校のホームページを見つけた!」ということで、かつての尾道市立土堂小学校の取り組みをご紹介しました。
ホームページのなかった学校に子どもを通わせていた身としては、正直、ものすごくうらやましく感じました。
おしゃれなデザイン、素晴らしい写真、子どもたちが自分の言葉で発信するブログ。そして、それらを支える先生方の熱意。
すべてが合わさって、こんなにも魅力的なホームページになるんですね。
土堂小学校は2025年に閉校しましたが、当時の取り組みから学べることは、今もたくさんあると思います。
学校から必要な情報が届くだけでなく、子どもたちの日常が見えて、学校と家庭や地域との距離が少し縮まる。
ホームページでも、アプリでも、使う道具は変わっていくでしょう。
でも、「学校の思いを伝える」「子どもたちの姿を届ける」という大切な役割は、これからも変わらないのではないでしょうか。
もし我が子の学校でも、新しい情報発信の取り組みが始まることがあれば、何かしらお手伝いしたい。
そんな気持ちになった、忘れられない学校ホームページとの出会いでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。








