宮地嶽神社といえば、海まで一直線に続く「光の道」と、見上げるほど大きな「大しめ縄」。私たちも子どもたちと出かけ、その迫力を楽しんできました。
ところが、参拝を終えて本殿の奥を歩いていたら、思いがけない場所を発見。昔の家が集まった村のような空間に、さらにヤギやポニーまでいるんです。
「えっ、神社の奥にこんな場所があるの?」と、私の方が驚いたかもしれません。今回は2019年12月29日の親子旅から、奥之宮八社・民家村自然広苑・宮ZOOを訪ねた記録をご紹介します。写真や動物の様子は訪問当時のものです。
参道や大しめ縄については、前編の宮地嶽神社に子どもと行ってみた!「光の道」の参道と大しめ縄で紹介しています。
本殿の右手に「奥之宮八社巡り」の看板を発見
本殿での参拝を終えたあと、右手の方で目に入ったのが「奥之宮八社巡り」の案内。「徒歩約5分」という文字に、これなら子どもと行けそう!と、少し奥まで歩いてみることにしました。
何があるか分からない道ほど、子どもは足取りが軽くなります。息子はさっそく先へ先へ。私は置いていかれないようについていきます。

途中の入口には「奥之宮八社巡り」「民家村自然広苑」の文字。参拝者用の杖も置いてあり、息子は使ってみたそうにしていました。けれど、次の瞬間にはもう走り出しそうな勢い。杖よりも、先に何があるかの方が気になるようです。

奥之宮は八社。でも、今回は全部回っていません
宮地嶽神社の公式案内によると、本殿のほかに「奥之宮八社」と呼ばれる八つのお社があり、それぞれをお参りする信仰が受け継がれています。七福神社や稲荷神社、不動神社など、祀られている神様や由来もさまざまです。
……と書くと、私たちも八社をしっかり巡ったようですが、実際はそうではありません。気になったのは、もう一つの案内に書かれていた「民家村」の文字でした。「村? 神社の奥に?」。こちらへの好奇心が勝ったんです。
八社を巡りたい方は、宮地嶽神社公式サイトの「奥之宮」で、それぞれのお社を確認できます。
突然現れた「民家村」に子どもたちもびっくり
もう少し先へ進むと、視界がふっと開けました。少し高いところから見下ろすと、昔話の世界に出てきそうな家々が並んでいます。
「あ!村がある!」と娘。「家もあるよ!」と息子。いや、村だから家があるんだけどね(笑)。でも、つい声が出てしまう気持ちはよく分かります。神社の奥に、こんな風景が広がっているとは思っていませんでした。

ここは「民家村自然広苑(みんかむらしぜんこうえん)」。日本各地から移築・復元した古い民家が集められ、地域による暮らしや建物の違いを見比べられる場所です。
公式サイトで紹介されているのは、次の五つの建物。
- 合掌造り民家:富山県の利賀村から移築
- 二棟造り民家:熊本県の旧泗水町から移築
- くど造り民家:佐賀県白石町から移築
- 鉤屋造り民家:福岡県小郡市から移築
- 高床式平柱小屋:長崎県対馬から移築
一か所でこれだけ違う家を見られるのも面白いのですが、子どもたちが一番驚いたのは「この家、別の場所から運んできたの?」ということでした。
娘からは「どうやって運んだの?」「全部そのまま使うの?」と質問が続きます。私は「いったん解体して、運んでから組み直す方法もあるみたいだね」と話したものの、この建物が具体的にどう移築されたのかまでは分かりませんでした。知らないことを、親子で一緒に考える時間になりました。
実際に見た昔の家。形も屋根もこんなに違う
合掌造り民家|まるで昔話に出てくる家
最初に目を引いたのは、大きな三角屋根の合掌造り。富山県から移築された江戸時代の民家だそうです。屋根が手を合わせたような形に見えることから、この名前がついたといわれています。

息子は家そのものだけでなく、庭に並んだ石に興味津々。娘は「トトロかもしれない」と、近くにあった甕(かめ)をのぞきに行っていました。古民家の楽しみ方も、子どもによって違うんですね。

くど造り民家|佐賀からやってきた家
続いて、佐賀県白石町から移築されたくど造り民家。上から見た屋根の形が「コ」の字になっていて、かまどの形に似ていることが名前の由来だそうです。移築された建物は約150年前に建てられたと紹介されています。
正面から見ると、何となく見覚えのある日本家屋にも感じられます。でも、屋根の形や部屋の配置には、その土地の暮らしに合わせた工夫があるんですね。

鉤屋造り民家|L字形になった住まい
福岡県小郡市から移された鉤屋(かぎや)造り民家は、建物を上から見るとL字形になっているのが特徴。中には土間や居室が設けられています。
訪れたときは生活の道具のようなものも見え、昔の建物が単なる展示品ではなく、暮らしの場所だったことを感じました。

高床式平柱小屋|屋根に石が載っている!
もう一つ印象に残ったのが、長崎県対馬から移築された高床式平柱小屋です。
床を地面から高くするのはネズミの被害を防ぐため、重そうな石の屋根は台風や雨風に耐えるため。公式案内を読んでみると、一見不思議な形にも、ちゃんと暮らしの知恵があることが分かります。

ちなみに二棟造り民家は、当日見逃してしまいました。五つすべてを見るつもりで訪れる方は、案内を確認しながら歩いてみてくださいね。私たちも次は見たいところです。
建物の特徴や移築元については、宮地嶽神社公式サイト「民家村自然広苑」にも詳しく載っています。
昔の暮らしをもっと知りたくなったら
昔の家を見て「どうやって運んだの?」と不思議がっていた娘。家のつくりや昔の道具をもう少し知りたくなったときには、こんな本も楽しそうです。『むかしのくらし図鑑:はじめてであう日本の歴史』は、めくるしかけを通して昔の人の暮らしに親しめる本。訪れた場所の記憶と結びつけながら、親子でページをめくるのもいいですね。
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民家村には池や菖蒲園も。季節が違えば景色も変わる
禊池(みそぎいけ)|訪問時は工事中のようでした
民家村の中には禊池(みそぎいけ)という池もありました。私たちが訪れた2019年12月29日は、池の周囲で整備が行われているように見え、近くで楽しめる状態ではありませんでした。

元の記事を書いたときは、鯉への餌やりや、ひな流しの行事が気になって調べたことも。もっとも、当日体験できたわけではありません。現在の利用方法や行事は、現地と公式のお知らせを確認するのがよさそうです。
菖蒲園|冬に訪れた私たちは花の季節を逃しました
もう一つ、時期を変えて訪れてみたいと思ったのが菖蒲園です。私たちが行ったのは年末。もちろん菖蒲の花は咲いておらず、冬らしい落ち着いた景色でした。

福岡県の公式観光サイトでは、民家村自然広苑の江戸菖蒲の見頃を例年5月下旬~6月中旬ごろと案内しています。次は花の季節にも歩いてみたいなと思いました。見頃や催しの日程は、その年の天候や神社のお知らせによって変わります。
さらに奥に「宮ZOO」!ヤギ・エミュー・ポニーと出会えた
古民家を見ながら歩いていると、山側から何やら動物の気配が。まさかと思って近づくと……いました!
その名も「宮ZOO(みやZOO)」。大きな動物園とは違う、神社の奥で動物たちを眺められる場所です。突然の出会いに、子どもたちのテンションも上がりました。
ヤギ|じっと見ていると表情も面白い
まずはヤギ。のんびりした姿や、こちらを見つめる表情が何ともかわいらしいんです。私たちが訪れた当時はヤギのいる場所が比較的広く、近くからしばらく眺めていました。

エミュー|思った以上に大きくてびっくり
そしてエミュー。写真で知っている鳥でも、目の前で見ると大きさに驚きます。子どもたちも柵越しにじっと観察していました。

ポニー|まさか神社の奥で出会えるとは
ポニーの姿もありました。参拝をして、昔の家を見て、最後は動物に会う。何とも予想外の組み合わせですが、子どもと歩く一日としては、なかなか楽しいコースでした。

なお、これは2019年当時に私たちが見た動物です。飼育されている動物の種類や見学できる範囲は変わることがあります。触れ合いや餌やりができるかどうかも、現地の案内に従ってください。
うれしいことに、宮地嶽神社の公式サイトでは2026年4月27日に「宮ZOOにヤギの赤ちゃんが誕生した」というお知らせも出ていました。今も動物たちの様子が紹介されているのを見て、また訪れてみたくなりました。宮地嶽神社公式|宮ZOOの新しい仲間(2026年4月)
ヤギやポニーに興味が湧いたら、動物図鑑も
思いがけず動物に出会えると、帰り道にも「あれは何を食べるのかな?」なんて話が広がりそうです。『学研の図鑑LIVEポケット 動物 新版』は持ち歩きやすい動物図鑑。ヤギやポニーなど哺乳類について、出かけた後に調べるきっかけになります。なお、エミューは鳥類なので、エミューについて調べたいときは鳥の図鑑が向いています。
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子どもと奥まで散策するなら、こんなことも意識したい
今回のように本殿の奥まで歩くなら、特に次のことを意識すると楽しみやすいと思います。
- 時間には少し余裕を:2019年の私たちは入口の「徒歩約5分」という表示を見て歩き始めましたが、写真を撮ったり建物を見たりすると、思った以上に足が止まります。
- 歩きやすい靴で:散策路や建物周辺は、場所によって足元の状態が違います。子どもと一緒なら急がずに。
- 見学できる場所は現地で確認:古民家の内部や池の周辺などは、整備や行事で立ち入り方法が変わる可能性があります。
- 動物は静かに観察:柵に手を入れたり、食べ物を勝手にあげたりせず、現地のルールを大切に。
私たちは奥之宮八社をすべて巡れなかったけれど、その代わり民家村でたくさんの発見がありました。全部見ようと頑張らなくても、子どもの「こっちが気になる!」に付き合う楽しさがあります。
まとめ|神社の奥にあったのは、親子の「なんで?」が広がる場所
宮地嶽神社の参道と大しめ縄に感動したあと、ふらりと奥へ進んだことから始まった今回の寄り道。
民家村では「どうやって運んだの?」という娘の質問や、「本当にここに人が住んでいたの?」という息子の驚き。宮ZOOでは、エミューの大きさに見入ったり、ヤギの表情に笑ったり。子どもたちの反応が面白くて、私も一緒に楽しませてもらいました。
旅先で出会ったものから疑問が生まれ、あとで調べてみたくなる。大がかりな予定がなくても、そんな時間が親子のお出かけの良さなのかもしれません。
宮地嶽神社へ行く機会があれば、本殿だけで帰らず、奥の案内にも目を向けてみてください。意外な「もう一つの見どころ」に出会えるかもしれません。
前編の宮地嶽神社「光の道」と大しめ縄の親子旅も、あわせてどうぞ。
