山口県萩市を親子で訪れたとき、歴史ある町並みや世界遺産とは別に、気になったことがありました。
それは、「萩って、なんだか茶色が多くない?」ということ。
お店の看板や自動販売機まで、普段見ているものと色が違うんです。最初は曇り空のせいかな、とも思ったのですが、どうやらそれだけではなさそう。
歴史を学びに来たはずが、気づけば家族で「茶色探し」をしていました(笑)。今回は、旅先で見つけた景観の工夫と、その理由について、当時撮った写真とともに振り返ります。
むすめちゃんと理由があるんだね。



何が?



町に茶色が多い理由だよ♡
萩の町で見つけた「いつもと違う色」
まずは車の中から撮った萩市内の様子です。写真では伝わりにくいかもしれませんが、どこか落ち着いた印象の町並み。


よく見ると、全国どこにでもあるチェーン店の看板が、見慣れた赤や黄色ではなく、白・黒・茶色など控えめな色合いになっているところがあります。
遠目には気づきにくいのですが、一度意識すると「ここも? あそこも?」と次々見つかるんです。
ユニクロの看板もモノトーン


赤い看板のイメージが強いユニクロ。ところが、萩で見かけた店舗は白と黒が中心でした。
茶色そのものではなくても、彩りを抑えることで、町の雰囲気がぐっと落ち着くのが分かります。
ドラッグストアのコスモスも見比べてみると…




同じ店名でも、外観の色が違うだけで雰囲気が変わります。どちらもコスモスですが、茶色い方は遠くから見ると街並みにすっとなじんでいるように感じました。
こうして写真で見比べると、普段は気にも留めない看板が、町の印象を左右していることに気づきます。
宝くじ売り場やドコモの看板にも注目




宝くじ売り場や携帯電話ショップなど、今回撮影したお店にも落ち着いた配色が見られました。
参考までに、一般的なチェーン店の看板をまとめた比較画像も載せておきます。並べてみると違いが分かりやすいですね。


もちろん、萩市内のすべてのお店が茶色というわけではありません。ただ、旅先で見かけた店舗の色づかいに、私たちははっきりとした違いを感じました。
自動販売機まで茶色!
そして、いちばん分かりやすかったのが自動販売機。


一般的には赤や白のイメージが強い飲料の自動販売機ですが、こちらはこげ茶色。まわりの壁や建物になじんでいます。
ここまで来ると、「なぜ茶色なのか」を確かめたくなってきました。
萩に落ち着いた色の看板が多いのはなぜ?
調べてみると、萩市では、歴史的な町並みや自然の景色を守るため、「萩市景観計画」と「萩市屋外広告物等に関する条例」によって、建物や看板などの色・形・大きさに基準を設けていることが分かりました。
萩市は2007年に景観計画を策定し、その後も制度を見直しています。昔からの建物が残る場所だけでなく、市内の地域特性に応じて景観づくりを進めているそうです。
ただし、「萩市の看板は茶色にしなければならない」という一律の決まりではありません。場所によって基準が異なり、広告物の下地や文字に使う鮮やかな色を制限する場合などがあります。
例えば萩市の公式案内では、地域によって赤・黄・橙などの使用方法に基準があり、派手な色を抑える工夫が示されています。茶色や黒、白などを用いた看板が多く見えたのは、こうした景観への配慮と関係していると考えられます。
- 景観計画:建物や工作物の高さ、形、デザイン、色彩などに関する基準
- 屋外広告物の条例:看板・広告物の設置場所、色彩、形状などに関する基準
- 地域によって違う:城下町などの歴史的な区域と、そのほかの区域では条件が異なる
詳しくは、萩市景観計画(萩市公式サイト)と屋外広告物の手引き(萩市公式サイト)で確認できます。



それで、町全体に落ち着いた色が多いんだね。
観光地だから昔ながらの建物が残っている、というだけではなく、今あるお店や施設も町の風景の一部として考えられているんですね。
いつも目にするお店のロゴまで、町を守る仕組みにつながっている。これは現地を歩いてこそ気づけた発見でした。
山口県の黄色いガードレールにも理由があった
ところで、萩への道中には、茶色とは反対に、ひときわ目立つ色がありました。
それが山口県でおなじみの、黄色いガードレールです。







本当だ!黄色い!
なぜ黄色なのかというと、その由来は山口県の特産品「夏みかん」。
山口県の公式説明によると、1963年(昭和38年)の山口国体の頃、山の緑にも映える色として、県が管理する道路のガードレールを夏みかん色に統一したのが始まりだそうです。
一方で、県が管理する道路でも、景観に配慮して茶色にしたものや、海沿いで腐食を防ぐために灰色にしたものがあるとのこと。つまり、黄色も茶色も、その土地や場所に合わせて選ばれているんですね。
「萩の町では茶色」「山口の道では夏みかん色」。同じ旅行で二つの色の意味が分かるなんて、ちょっと得した気分です。
看板の色を探すだけでも、立派な旅育になる
歴史的なお城や有名人の旧宅を巡るのも、もちろん勉強になります。でも今回のように、車窓から見えた看板をきっかけに「どうして?」と考えるのも、旅ならではの学びだと思います。
次に萩を訪れるなら、マクドナルドやコンビニなど、普段見慣れたお店の看板も見つけて比べてみたいところ。子どもたちもきっと、こちらが言い出す前に発見してくれそうです。
親子で町を歩くときには、こんなことを話題にしても面白そうですね。
- いつものお店と、看板の色はどう違う?
- 同じ色の看板が続くと、町の印象は変わる?
- 鮮やかな黄色のガードレールと、落ち着いた茶色のガードレール。それぞれどんな場所に合いそう?
答えをすぐ教えるというより、一緒に探して、一緒に調べる。その時間自体が、わが家にとっての「旅育」です。
まとめ|萩で見つけた「茶色」の秘密
今回の萩旅行では、お店の看板、自動販売機、ガードレールなど、何気なく見ていたものに目が向きました。
萩の落ち着いた町並みには、歴史的景観を守るための景観計画や広告物のルールが関わっています。そして、山口県で目立つ黄色いガードレールにも、夏みかんにちなんだ理由がありました。
子どもたちと「なんか違うね」と話していた風景に、ちゃんと背景がある。それが分かったことで、萩の町が前より少し身近になった気がします。
萩を訪れた際は、名所だけでなく、ぜひ町の色にも注目してみてください。いつものチェーン店が、思いがけない旅の発見につながるかもしれません。
萩の歴史や世界遺産については、親子で萩の世界遺産を巡った記事や、吉田松陰を学んだ旅育記事でも紹介しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。








