小学校を卒業したあと、急に出番がなくなるランドセル。毎日使っていたものなのに、いざ片づけようとすると「どうしよう?」と手が止まることがあります。
小物にリメイクすれば、これからも使える。でも、あの形のまま残しておきたい気持ちもある。しかも一度加工したら、元のランドセルには戻せません。これはなかなか悩みます。
私も娘のランドセルを何かの形で残せないかと考え、リメイクについて調べたことがあります。実際に工房へ依頼した体験談ではありませんが、今回は「リメイクするか、しないか」を決めるための判断材料を整理しました。作れる小物やお店の比較は、別記事にまとめています。
ランドセルはリメイクする?しない?選択肢は一つではない
卒業後のランドセルの残し方は、「リメイクする」か「捨てる」かの二択ではありません。まずは、それぞれの特徴をざっくり比べてみましょう。
| 残し方 | こんな人に向いていそう | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| リメイクする | 小さく残したい/日常で使いたい | 費用・納期がかかる。元の形には戻せない |
| そのまま保管する | 形や傷、ランドセル全体に思い入れがある | 場所を取り、保管環境によっては傷む |
| 写真・記録を残す | 収納場所を増やさずに思い出を残したい | 実物に触れられなくなる場合がある |
| 寄付・譲渡などを検討する | 誰かに使ってもらえたらうれしい | 受け入れ条件・送料・状態の確認が必要 |
「何を残したいのか」が見えると、選び方が少し変わります。ランドセルという形が大切なのか、使っていた素材を残したいのか、それとも6年間の思い出そのものなのか。答えは家庭によって違っていいと思います。
ランドセルをリメイクする魅力は?元記事で考えた理由
元の記事でも、ランドセルリメイクの良さとして挙げていたのが、思い出を身近に残せること、収納をコンパクトにできること、実用品としてもう一度使えることでした。今振り返っても、ここが大きな魅力だと思います。
収納スペースを小さくできる
ランドセルを丸ごと保管すると、どうしても場所を取ります。財布やキーケースなどの小物に生まれ変われば、棚にしまいやすく、普段の暮らしに取り入れることもできます。
ただし、ミニランドセルや複数の記念品を作る場合は、完成品の置き場所も考えたいところ。せっかく小さくしたのに、しまいっぱなしになったら少しもったいないですよね。
傷や色を、別の形で残せる場合がある
ランドセルの色やステッチ、使い込んだ風合いを生かした作品もあります。新品にはない「この子のランドセルだった」と分かる部分が残るのは、リメイクならではの楽しみです。
一方で、使ってほしい箇所を必ず指定できるわけではありません。仕上がりや残せるパーツは工房とランドセルの状態によって異なります。
家族への記念品になる
元記事には、ランドセルを買ってくれた祖父母へのお礼としてリメイク品を贈るアイデアもありました。本人と祖父母がおそろいの小物を使う、というのも素敵な残し方です。
ただ、サプライズでランドセルを加工するかどうかは別問題。家族への贈り物にする場合でも、持ち主である子どもの気持ちを先に聞いておきたいですね。
リメイクする前に知っておきたいデメリット
加工すると、元のランドセルには戻せない
これが、私が一番大切だと思う点です。土屋鞄の公式FAQでも、リメイク後の製品を元のランドセルの形に戻すことはできないと案内しています(土屋鞄の状態確認に関するFAQ)。
「完成したらうれしいだろうな」と思う反面、ランドセルそのものがなくなるのは少し寂しい。そう感じるなら、その気持ちも立派な判断材料です。
料金のほか、送料や完成までの時間も考える
費用は作品の種類や依頼先によって異なります。加工代だけでなく、ランドセルを送る送料、セットの内容、完成までの期間を合わせて比べたいところです。
例えば、ふわりぃの公式案内では、混雑状況によって完成・返送まで約1年かかる場合があるとされています(ふわりぃのランドセルリメイク)。卒業式の直後に申し込んだからといって、すぐ届くとは限りません。
余った革や金具が返却されないこともある
「財布を作って、残りの素材は手元に置こう」と考えていても、そうできないお店があります。土屋鞄やふわりぃでは、リメイクで使用しなかった素材・部材は原則返却しないと案内されています。
作品の中に残したい部分と、ランドセル全体として残したい部分があるなら、発送前に取り扱いを確認しておくと安心です。
リメイクするか迷ったときの判断ポイント6つ
私なら、完成品の写真を眺める前に、次の6つを確認したいと思います。
① 子ども本人は、どう残したいと思っている?
ランドセルは6年間、子どもが使ってきたもの。大人は「素敵な財布になる!」とわくわくしていても、本人はあの大きさも傷も含めて残したいかもしれません。
逆に、本人はもう使わないと割り切っていることもあります。「どうしたい?」と聞いてみて、気持ちがまだ決まっていなければ、急いで結論を出さなくてもよさそうです。
② ランドセルの形そのものを残したい?
形が大好きなら、まずはそのまま保管する方法が合うかもしれません。一方、「あの色や革を使って何かを残したい」という気持ちなら、リメイクが候補になります。
どの部分に愛着があるのか、ランドセルを見ながら話すと、後悔しにくい選択につながりそうです。
③ 完成したあと、実際に使う場面がある?
キーケースなら通学や外出、写真立てなら部屋に飾るなど、使う場所を具体的に考えてみます。「何となくかわいい」だけで選ぶと、作ったあとにしまいっぱなしになることも。
ただし、記念品は必ず実用的である必要もありません。「見ると楽しい」だけでも、十分な役割だと思います。
④ 無理なく出せる予算と、待てる時間は?
小物を一つ作るのか、家族で分けるのかによって必要な費用は変わります。予算と納期に納得できるか、焦らず確認したいところです。
祖父母への贈り物を考える場合も、「相手が喜ぶか」だけでなく、本人にとって大事な記念品をどれだけ手放してよいか、話しておけると安心です。
⑤ あとから「そのまま残せばよかった」と思いそう?
リメイクは、いったん加工するとやり直しがききません。特に入学当時の姿や内側のメモ、背負い心地まで思い出として残っているなら、そのまま保管する価値もあります。
加工する方向に気持ちが傾いていても、発送する前に全体・正面・横・内側などを写真で残すだけで、あとから振り返りやすくなります。
⑥ ランドセルの状態は加工に向いている?
素材のひび割れや強い傷みがあると、希望する形での加工が難しい場合があります。土屋鞄の公式案内でも、卒業から年数がたっていても相談できる一方、素材の劣化によっては加工できないとされています(土屋鞄「卒業してから数年経つのですが…」)。
「まだ使えそう」に見えても、加工できるかは工房の基準次第。気になる場合は写真を添えて相談する方法もあります。

今すぐ決める必要があるのか、そこから考えてもいいですよね。ただし、保管中の劣化には気をつけたいところです。
リメイクしない場合の残し方|保管・写真・寄付
そのまま保管するなら、置き場所も考える
ランドセルの形を残したいなら、無理に加工しなくても大丈夫。ただし、押し入れに詰め込んだままにすると、湿気などによって状態が悪くなることがあります。
汚れや水分を残さず、直射日光や高温多湿を避けて、風通しのよい場所で保管するのが基本。お手入れ方法は素材やメーカーによって違うため、説明書も確認してください。参考:生田ランドセル「お手入れ方法」。
写真や思い出の品を残す方法もある
ランドセルの正面だけでなく、名前を書く部分、内側、キズのある場所、背負っていた頃の写真をまとめるのも一つの方法です。卒業時に「このランドセルで一番覚えていること」を親子で話して、言葉を残しておくのもいいですね。
記念の品が必ずしも大きい必要はありません。写真と小さな思い出箱だけでも、その子らしい6年間を残せるかもしれません。
寄付や譲渡を考えるなら、受け入れ条件を確認する
ランドセル工業会は、使用後の活用法として寄付やリメイクも紹介しています(ランドセル工業会「使い終わったランドセル」)。
ただし、使ったランドセルなら何でも受け入れてもらえるわけではありません。素材や状態、受付期間、送料などの条件を確認したうえで、本人の気持ちも大切にしたいですね。
すぐ決められないときは、こんな考え方も
| 今の気持ち | 考えられる選択 |
|---|---|
| 小さくして使いたい | リメイク候補。作るもの・予算を本人と相談する |
| あの形をなくしたくない | そのまま保管し、時々状態を確認する |
| どちらにも決められない | ひとまず写真を撮り、期限を決めず少し保管する |
| 次に使う人がいたらうれしい | 寄付・譲渡先の条件を調べる |
迷っているなら「保留」も一つの選択です。ただし、長く置けば必ずリメイクできるわけではないことには注意。素材が傷む場合があるので、あとで加工する可能性があるなら、保管環境を整え、希望する工房の受付条件も確認しておくとよさそうです。
リメイクすると決めたら、次に確認したいこと
「やっぱりリメイクしよう」と気持ちが固まったら、そこで初めて具体的な商品や依頼先を比較する段階です。ミニランドセルにするのか、財布やキーケースにするのか、複数の小物を作るのか。ここからは選択肢がかなり増えます。
作れるリメイク品の種類、専門店の選び方、古いランドセルでも対応できるかなどは、公開済みの記事 「ランドセルをリメイクする?しない?作れる小物・専門店の選び方と注意点」 にまとめています。この記事では「リメイクするか」を決め、具体的な比較はそちらを参考にしてもらえればと思います。
まとめ|思い出の残し方に正解は一つじゃない
ランドセルのリメイクには、場所を取らずに残せる、暮らしの中で使える、家族で分け合えるといった魅力があります。その一方で、費用も時間もかかり、一度加工すると元の形には戻せません。
私は「せっかく6年間使ったんだから、何か形に残したい」と思います。でも、その「何か」はリメイクでなくてもいいんですよね。ランドセルのまま保管しても、写真に残しても、本人が納得できるなら、それがその家庭の答えだと思います。
何より大切にしたいのは、子どもの気持ち。親子で「どう残したい?」と話す時間も、卒業後の一つの思い出になるかもしれません。







