お盆玉はいつから始まった?名前の由来と歴史、広まった理由を解説

お正月は「お年玉」。では、お盆に渡すお小遣いは「お盆玉」? 初めて聞いたとき、私は「えっ、夏にもお年玉があるの?」と思いました。

子どもにとっては、もらえるならうれしい話。でも、渡す大人にとっては……ちょっと待って、出費が増えるのは聞いてない! という気持ちにもなりますよね。

今回はお盆玉の意味、昔からあったお盆の小遣いの風習、名前の由来、全国に知られるようになった経緯を調べました。2026年の調査結果も交えて、「今はどのくらい知られているの?」という疑問にも答えます。

目次

お盆玉とは?お年玉の夏バージョン

お盆玉とは、お盆の帰省や親戚の集まりなどで、子どもや孫に渡すお小遣い・心付けのこと。 お正月のお年玉を、夏のお盆になぞらえた呼び名です。マルアイの説明では、子どもから祖父母へ感謝の気持ちを込めて贈る場合なども含みます。

もっとも、昔から夏にお小遣いをもらっていた家庭でも、「お盆玉」とは呼んでいなかったかもしれません。お盆にお金を渡す行為と、「お盆玉」という名前が広まった時期は別なんです。

お盆玉はいつから?ルーツは山形県の「お盆小遣い」?

よく紹介されるのが、江戸時代に東北地方の一部で、奉公人へ夏のねぎらいとして衣類や下駄などを渡していたという話です。そこから現金の小遣いへ変わったとも言われています。

ただし、「お盆玉は江戸時代の山形県が発祥」と断定するのは慎重にしたいところ。 2014年のwithnewsによる山形県立博物館への取材でも、直接のルーツだと断言できるほどの資料はないと説明されています。

昭和初期には子どもにお小遣いを渡した記録がある

一方で、山形県大江町の老人クラブ連合会が1984年にまとめた『大江町の年中行事』には、昭和初めごろ、お盆の時期に子どもや雇い人が50銭ほどの「お盆小遣い」を受け取ったという記述があります。記事で紹介された当時の説明では、50銭は農作業の一日分の手間賃に相当したそうです。

50銭、と聞くと今ではピンとこないけれど、一日働く分のお金がもらえると考えたら、なかなかの大盤振る舞いです。

つまり、昔からお盆に小遣いを渡す地域的な風習は確認できるものの、全国の現在のお盆玉へどうつながったかは、はっきり分かっていないというのが正確そうです。

参考:withnews「新トレンド『おぼんだま』がじわじわ来てる」(2014年7月31日)

「お盆玉」という名前の由来はマルアイの造語

現在使われている「お盆玉」という名前を付けたのは、紙製品メーカーの株式会社マルアイです。お年玉になぞらえて名付けたもので、2010年から夏向けデザインの専用ポチ袋を販売し始めました。「お盆玉」はマルアイの登録商標にもなっています。

マルアイの公式サイトによると、家族や親戚が集まる夏、お小遣いや心付けを渡す場面にも名前があれば会話が生まれるのでは、と考えたそうです。袋だけでなく、渡すときのきっかけそのものをつくろうとしたわけですね。

名前が付くと、なんだか昔からの決まりごとみたいに感じるから不思議。渡す側としては、ちょっと複雑かも……。

参考:マルアイ公式「お盆玉袋」の開発エピソード

お盆玉はどうして広まった?2010年からの流れ

時期主な出来事
2010年マルアイが「お盆玉」の名前で夏向けポチ袋を販売開始
2012年ごろロフトでも夏用ポチ袋の取り扱いが始まったと、2014年の記事で紹介
2014年7月14日日本郵便が全国の郵便局(一部の簡易郵便局を除く)で「お盆玉袋」を発売
その後季節商品やメディアの話題を通じて「お盆玉」の言葉が徐々に知られるように

転機の一つが2014年。日本郵便は同年7月8日に、14日からお盆玉袋を販売することを発表しました。ひまわりや金魚、クマなどの袋があり、全国の郵便局で扱われました(当時の数量限定商品です)。

こうして見ると、古い風習だけで自然に全国へ広がったというより、メーカーの商品開発や売り場づくりが、名前を広める大きなきっかけになったと言えそうです。季節の行事と商売は切っても切れない関係ですね。

参考:日本郵便|2014年「お盆玉袋」を新発売

お盆玉はもう常識?2026年の認知度は26.2%

「最近よく聞くけど、実際みんな知っているの?」というのも気になるところ。

マルアイが2026年7月15日に発表した調査では、20代以上の男女4,802人のうち「お盆玉を知っている」と回答した人は26.2%でした。知っていると答えた1,260人のうち、その年に「あげる予定がある」と答えた人は30.6%です。

つまり、2026年の調査でも知らない人のほうが多数派。もう誰もが当然に渡している習慣、とまでは言えません。

元記事では、あおぞら銀行の調査で2016年16.6%、2017年28.9%と認知度が上がったことも紹介していました。ただし、こちらは55〜74歳を対象とした調査。2026年の全年代を含む調査とは対象者が違うため、数字を単純につないで増減を判断できません。

参考:マルアイ|2026年お盆玉に関する実態調査

過去の調査:あおぞら銀行(2016年)/マイナビニュース(2017年調査の紹介)

お盆玉が「迷惑」という声も。あげないとダメなの?

もらう子どもや孫はうれしい反面、渡す側にはお年玉に加えて夏の出費まで……という悩みもあります。マルアイ自身も、発売当初は新しい風習をつくることへの苦情があったと公式サイトで振り返っています。

でも、お盆玉は必ず渡さなければならないものではありません。 家族や親戚の考え方、家計の状況、帰省の頻度によって違っていいものだと思います。

わが家だったら、まずは親戚同士で「うちはどうする?」と話せれば十分。お小遣いを渡すとしても、お年玉と同じ金額にする必要はないし、ちょっとしたお菓子や文房具でも気持ちは伝わりそうです。

お年玉にお盆玉まで……私も、もらえる側に戻りたいものです。

「いくら渡す?」と迷ったときは、2026年の調査も紹介した相場の記事を参考にしてください。ポチ袋の選び方は別の記事にまとめています。

まとめ|昔からの風習に新しい名前が付いた「お盆玉」

  • 昔から一部地域にお盆の「小遣い」の風習はあったが、現在のお盆玉の直接の発祥地は断定できない
  • 「お盆玉」の名前はマルアイの造語。2010年から専用ポチ袋を販売
  • 2014年には日本郵便が全国で袋を販売し、言葉が広まるきっかけに
  • 2026年の調査での認知度は26.2%。渡すのが当たり前という段階ではない

由来を調べると、歴史のある地域の風習と、現代のメーカーが生み出したネーミングが重なっているのが面白いところでした。

大切なのは、名前に振り回されず、会えた相手と気持ちよく過ごすこと。お盆玉を渡す家も、渡さない家も、それぞれのペースでいいと思います。

関連記事

参考情報(外部サイト)

※参考情報のリンク先は、育児ログとは別の外部サイトです。

「これ、誰かの役に立つかも!」と思ったら、ぜひシェアしてくださいね。
  • URLをコピーしました!
目次